原付と私


 今でさえも忘れることのない思い出。
 私の初めての免許証が原付でした。
 さて、 原付と言えば”原動機付自転車”です。
 原付は自転車ではありません、 何処か勘違いしたまま歩道を走ると捕まるので気を付けましょう。
 原付免許は排気量が50cc以下までの小型バイクを運転するに必要な免許です。
 法定速度(最高速度は60キロまで出る)は脅威の30k/hです。
 自動車の法定速度は60k/h、 30の差があるわけですよ。
 ではどのくらいの差なのかは乗って見ないと今一実感沸かないですね。
 30と60では圧倒的な差があります。
 ・・・十分人の命を奪えるスピードです。
 原付の法廷速度も人の命を奪うことが出来ますが、 基本的に最低速度です。
 よく標識などに「30」と書かれている速度が車の最低速度であり(コレより下は徐行)原付の法定速度。
 もし原付で車と並んで走ってしまったら勿論違反で、 30k/h違反、 赤切符です(^^:)

 原付免許をこれから習得する方に一つだけ言っておく・・・原付は舐めないほうが良い。
 全く自転車とは異なる乗り物ですからくれぐれも勘違いしないようにっと。
 原付は自転車乗りにメリットはありますが、 当然デメリットもあります。
 よくスピード超過にもなりやすい、 車の死角になる、 警察のカモになる。
 今まで私は捕まったことはありませんが、 捕まりやすいとの事。
 毎回後ろを直視しながら走る・・・って事はできませんので、 よく後ろにパトカーや白バイがいて気が付かなくて捕まるって事はよくある話です。
 原付といえど罰則金は痛いものです。
 そんな色々とおまけのある原付ですが、 当然免許がないと乗れないです、 当然試験があります。
 本屋で参考書を買ってきて勉強して、 要は独学です。
 私は記憶する事が苦手で何度もネットの問題集を解いてました。
 参考書はイラストが載っていて、 見やすいもの。
 カラーの原付免許一発合格って謳い文句のあれです。


 私は↑の本で勉強しました。
 中身は本当に基本の事しか書いてません。
 勉強方法はとりあえず読むこと。
 紙に書く必要はありません。
 ただ何メートルは駐車禁止、 停車禁止、 駐停車禁止のこれは確実に出ますので確実に覚える必要はあります。
 そん時は紙に何度も書くなりして覚える必要がありますけど。
 路面電車とはごく一部でしか走っていなく、 必要あるのか不明なものまで出題されます。
 一夜漬けはお勧めしません・・・その時だけ覚えていればいい、 そんな考えはあれですね。
 原付に乗れば確実にそういう場面に遭遇します、 「はて・・・何メートルぐらいが停車禁止だっけ?」忘れたまま駐車すると帰ってきた頃には駐車禁止の張り紙が貼られてることは良くあります。

 私が原付免許を習得したのは16の頃です。
 秋ぐらいの季節で9月の終わりごろだったと思います。
 まだ気温は高く汗ばむぐらい。

 準備を済ませ、 試験場に出かけました。
 朝の七時ぐらいですかね。 (父の車で)家からセンターまで時間が掛かるので早めに出たのですが
 いざ受けようと窓口へ・・・・と、 受付の方に
「講習は受けましたか?」
 って・・・・私と父は「?」。
 受けてませんよ。
 原付免許の試験は初めに「講習」を受けなければいけない。
 私は「学科試験が終わって合格した人だけ講習」との情報を持ってただけに意外でした。
 学科は後って事ですね。 ちなみに宮城県の仙台の免許センターです。
 指定された場所、 講習場所に出向いたのはいいのですが「満席です」だって。
 ここは予約制で、 予約をしなければ受けられない。
 仕方なくしましたが、 予約は電話でも良いとの事だったが、 無駄足だったな・・・

 一週間後ぐらいに再度試験場へ。
 その一週間でも参考書を読むなり勉強してましたけどね。  この日も良い天気で。

 さっそく予約した講習の場所に行きました。
 講習ですが予約を済ませたぐらいでは駄目です
 受けるにはこちらも準備があり、 免許センターに置いてある写真を撮影するBOXで写真を撮影。
 写真は申請書などにはる小さな写真です。
 (それにしても胡散臭い顔だったな(^^;)
 確か二枚だったような気がしますが、 それがですねぇ・・・写真を撮り切り抜きます。
 そして貼るのですが・・・小さな写真が三枚? に大きな写真が一枚・・・・。
 小さな写真が三枚 大きな写真が一枚です
 申請書に貼る分は二枚、 大きな写真の活用法は?(苦笑)
 小さな写真が一枚余るわけです、 中途半端だなぁ・・・

 時間になり講習を受けます。
 その前に席に着くなり書類を渡されます。 指示に従いながら書きます。
 大体は住所と年齢、 名前に性別、 住民票に書かれている戸籍など基本的な事です。(分からない場所は訊けば言いと思う)
 それが終わると、 ビデオターイム。
 ただひたすら見るだけです、 棒読みの出演者を見るだけです(^^;)。
 これが終われば(眠くなる)次はいよいよ原付に乗ります。
 免許がないですが指定された区域ないですので大丈夫。

 指示を受けながら走ります。
 ポイントは
「人の話を聞け」
 これが重要らしいですよ。
 何度注意されたんだろう・・・「右だろ!? 早くしろ!!」とか「ちゃんと(ry)」とかこっちはなれない原付で手一杯なのに、 走る前に何が「焦らず」だ、 言ってることとやっている事違うだろ。 焦らせてんのはどっちだ。
 などとストレスを溜め込みながら受けましたよ。
 しかしどうも教える立場の人間は「偉そう」です。
 お前何様だ? と言いたくなる位偉 そ うです。
 我慢しかないが、 走るだけだし。


 嫌な講習タイムが終われば試験です。
 もし受かればその日に交付されますので交付料はお忘れなく。
 ここでも手続きを済ませます。
 何も分からない人は付き添いの人と行くほうが良いかも。
 ただ試験は一人です。 受付の仕方が今一分からなかった(初めてだし)
 適正試験?(目は見えるかとかの検査)を受けます。
 それを終えれば試験。(その前に何かあったような・・・)

 制限時間は30分。 試験は50問。 正誤問題
 確か45点以上で合格だったような気がします。
 選択肢は二つですので絶対に書きましょう。
 正誤問題でどちらかを塗りつぶします。
 わからない所があっても、 どちらかは辺りなので、 別に理由を述べよとか堅苦しいものではありません。
 指定された席に着いたとたん、 気持ち悪かったな・・・・大勢いるところは苦手だったから。
 原付だけではなく、 四輪とかまとめて試験なので数が多かったです。
 カンニングは絶対してはいけないと二度三度言われましたが、 当然ですね。
 それにカンニングしても隣が同じ原付とは限りません。
 何というか胃がねじられるようなプレッシャー(苦笑)いやな気持ちです。


 試験を受ける前に必要事項を書き、 問題を受けとる。
 説明を聞き、 合図で試験開始。
 当然ながら誰も喋りませんでしたね。
 問題は止まれ関係と、 駐停車について、 停車について、 駐車について、 路面電車とか。
 交差点の曲がり方、 二段階右折とか、 その他色々。

 問題はゆっくりと確実に読むと教わったが・・・まずゆっくりする時間はありません。
 初めは焦らず自分のペースで進んでましたが、 急に「原付免許の方残り5分です!」とアナウンスがなった時は焦りました。
 だってまだ終わってないのに後五分って・・・仕方ないんでさっさと書きましたが、 確認の時間を与えられないまま原付は試験終了。

 終わったら終わったらでホールで待ち、 結果が出るのを待ちます。
 採点までに時間がかかり、 コーヒーを飲んだり、 参考書を読んだり、 時間をつぶしていたが、 時間が潰れれば潰れるほど緊張が増して疲れます。
 30分以上は確実に掛かりましたが、 アナウンスがなり「原付免許を受けた方の合格発表をします」そう流れて掲示板に受験番号を提示されました。
 原付を受けた方々、 もう釘付け。
 ぱっと番号が表示されたとたん、 何度も受験番号を見ました。
 え? あれ? えーと? そんな感じで何度も見ましたが、 あああ、 私の番号がなかった。

 つまりそう、   見事に落ちた(/_;)

 何だろうこの感じ、 絶望感にも似た膝から崩れそうになるような・・・
 一発合格で望んだだけに、かなりショックを受けました。
 結構原付試験に望んでいた人はいたにも関わらず、 合格者は約四人。
 大体、 十人以上受け、 合格者は四名。
 喜ぶ人もいれば悔しがる人もいる。
 終われば終わったで窓口で結果を聞きに行きます。
 点数は・・・四十三点。


 残り二点、 二点あれば合格なのに・・・
 もしかしたらイラスト問題を間違えたか・・・思い返せばどれもこれも思いつく。
 父の車に戻り「落ちたぜ」と告げるとなんとも苦笑にもにた顔が。

 一週間後。
 受付やその他の手続きは難なく終わり、 二度目のリベンジ。  今度は参考書の問題集を解く。
 試験を待つ間もひたすら問題集。
 やたら長いので、 いい勉強にはなったが・・・。
 今後こそ、 そう今度こそ受からないといけない。
 あんなに猛勉強したんだからうかるはず。
 そう思っていた。
 いよいよ試験。
 問題集を配られ、 解こうとしたとき。

 以前の問題とは違うことに気付いた・・・
 けど全力を尽くして望む。
 やっぱり早い。 時間が。
 確認の時間をまたもや与えられないまま終了。

 ホールにて結果を聞く・・・・
 掲示板に表示される私の受験番号。
 はなかった。
 二度目ということもあり、 ショックはそれほど強くはなかった。
 トボトボと点数を聞きに行くと「44点」と出ました。
 はは、 一点足りない。
 この一点の壁がでかく感じられた。
 これが現実なんだなと。
 仕方ないんで、 父の車に戻り「落ちた」と告げると・・・
 「お前次一人で来いよ」
 衝撃宣告、 とりあえず言い訳をかまし、 次も連れてってもらう事が出来た。


 これまでにないほどに猛勉強。
 今度は確実に覚えるまで紙に書く。
 けど勉強する範囲は分からないところや、 苦手意識がある場所に絞る。
 同じ問題集をひたすら読んで、 答えを見ながら解いたりしました。

 一週間後。
 免許センターに連れてってもらい、 車を降りるときに「お前次は一人で行けよ」
 何度聞いたかこの台詞。

 試験まで待つ。
 あれこいつ見たことあるぞって奴にも遭遇。
 その人も何度も落ちてるんでしょうね、 残念でしょうけど私一人パスさせて頂きますよ、 と一人で闘争心を燃やす。

 もうこれ落ちたら原付諦める覚悟は出来ていました。
 勉強なんてしないし原付なんぞ乗ることはないだろう。
 そのくらいきっぱりと諦める覚悟もありました。

 三回目の試験。
 始めの合図と共に、 問題集を解くと・・・
 前にもにた問題の数々。
 それに勉強しただけあって躓くこともなく、 さらに確認する余裕もありました。
 ひたすら書いた答えを見ていくと、 ミスを発見。
 修正してこれでペンを机に置きました。
 試験が終わり、 ホールで缶コーヒーでも飲みながら待ちます。
 アナウンスがなり「原付免(ry」掲示板に受けた人の受験番号が表示される。

 見覚えある番号。
 私の受験番号を確認すると・・・あった、 あった! あった!!
 さ、 三度目の正直が今ここに。
 興奮をムネに、 交付の手続きに行くことに。
 そう言えば前にもあった人も合格してたみたいだ。
 何とも複雑な気持ちにさせられた。
 そして点数を確認。
 47点の合格。
 嬉しかった・・・とても。
 満点じゃないのは悔しいですけど。

 念願の免許証を受け取り、 父の「受かった!」と報告すると、 相手も喜んでた様子。
 そりゅあそうでしょ、 ずっと車で待ってるんですから。


 現に二回も落ちてるわけですからね・・・今思うと哀れに思えてきます。
 後に車の免許を取りましたが、 教習所の終了検定と卒業検定、 試験場の学科試験は一発合格しました。
 教習所の件は教習したので当然ですが、 試験場は、 少しだけ原付の勉強が実った気がします。
 車の免許は後ほど。
 ではさいなら〜。

2009年 12月3日修正。

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